制作するのは、もっぱら勤務先の高校の美術準備室です。
そういえば、大学時代も、
やたらと学校に残って描いているタイプでしたね。
学生生活は楽しかったですよ。
僕は絵を描くことは子どものころから好きだったけれど、
実は積極的に美術の道に進もうと考えていたわけではないんです。
家庭の事情などから、否応無しに選んだ進路だった。
だから、大学に入学して最初のうちは、
門外漢な自分を痛感していましたよ。
まわりが、みんな美意識が高い人ばかりに見えていました。
それでもだんだん馴染んでいくことができたのは、
ひとえに周囲のおかげです。
先生方にはもちろん、先輩にも同期にも恵まれていました。
最初に県展に出したのも、先輩のすすめだったんですよ。
「出してみれば?」と言われて、
「そうか、そういうもんなのか。じゃあ出してみよう」という感じ(笑)。
画材屋に一緒に行ってもらったこともあったな。
本当にお世話になりました。
(続きます)
構成/中原順子
※この記事は、2006年4月に「光風会岡山支部website」の連載「作家ファイル」用に行った取材を再編集したものです。